プロジェクト概要
持続可能な食と農業について
社会全体で考える学び合いのモデル
世界の食料需要は増え続け、2030年には需要と供給のバランスが崩れると予測されています。こうした危機を回避するため、昆虫食や培養肉などの「フードテック」が次世代の食料源として注目されています。中でも昆虫フードテックは、高い飼料効率や廃棄物の飼料利用、環境への低負荷といった特長を持ち、「環境にも経済にもやさしい持続可能な農業」の可能性を秘めています。 しかし、昆虫食に対する社会的理解はいまだ十分ではありません。SNSやメディアでは、他文化への偏見や誤った科学的情報が拡散し、「昆虫を食べること」への嫌悪感や誤解が根強く残っています。その背景には、科学的知識の不足だけでなく、異なる文化・立場・価値観のあいだでの対話の不足があります。
本プロジェクトは、アジア発の昆虫フードテックを題材に、タイ・ラオス・日本の三国をフィールドとして、生産者・行政・研究者・消費者が対話を通して学びあう試みです。それぞれの地域に根ざした文脈や社会的課題を共有しながら、「持続可能な食と農業について社会全体で考える学び合いのモデル」を構築します。
このプロセスは、単なる技術や情報の交換ではなく、科学と社会のあいだに新しい関係性を築くインクルーシブな科学コミュニケーションの実践です。対話からつくる、食の未来―それは、違いを超えて共感を育み、持続可能な社会理解をともに描くための第一歩です。