ヤモリ飼育初心者向けに、餌の種類や与え方、栄養管理の基本を詳しく解説します。
餌を与える頻度や注意点を押さえれば、健康で長生きに繋がる飼育が可能です。
本記事では、これからヤモリを育てたい方に役立つ実践的な知識をまとめました。
この記事の監修者
飯島明宏
高崎経済大学地域政策学部・教授 博士
高崎経済大学にて環境データサイエンスを専門に食糧問題から水生昆虫などあらゆる調査・研究を実施。また フードバイオプラス研究会の副会長に就任。 コオロギ食品および飼料原料の安全確保のための生産ガイドライン策定に関わりながら、 FUTURENAUT株式会社の役員として ペット用コオロギ餌の商品開発に尽力。
ヤモリは何を食べる?家にあるもので代用できる?

ヤモリを飼育するとき、最初に多くの飼い主が疑問に思うのが「何を食べさせればいいのか?」という点です。
ペットショップで迎えたばかりの小さなニホンヤモリを前に、「台所にある食材や庭先の虫でなんとかならないの?」と考える人も少なくありません。
ですが、ヤモリの体は私たち人間とはまったく違う仕組みでできており、安易な代用は命に関わることもあるのです。
ここではヤモリの本来の食性や、代用食材の危険性を詳しく解説します。
ヤモリの食性
ヤモリは昆虫食性の爬虫類です。
ニホンヤモリの場合、野生では夜に活動して飛んでくる小型の蛾やハエ、壁にいるクモなどを捕まえて食べています。
彼らは自分の体のサイズに合った獲物を本能的に選ぶことができ、効率よく栄養を吸収しています。
さらに、季節によって食べる虫の種類も変わり、夏は飛翔昆虫、秋は甲虫類、春は小さなバッタなど、環境に応じて柔軟に対応することができます。
つまり、野生下のヤモリは「環境が用意してくれるバリエーション豊かな餌」でバランスを取っているのです。
野生と飼育下で食べる餌の違い
野生のヤモリは、前述のように「身の回りにある多様な餌」を食べることで自然に栄養が補われているのが特徴です。
それに対して飼育下のヤモリは、飼い主が与える餌しか口にできません。
多くの場合、コオロギやミルワームなど特定の昆虫が中心となり、食のバリエーションはどうしても限られます。
野生のように幅広い選択肢がないため、同じ餌ばかりを与えていると栄養が偏りやすくなるのが大きな違いです。
家にある食材は与えてよい?
結論から言えば、家庭にある食材での代用はNGです。
パンやご飯、果物などを口にすることはあっても、ヤモリの体はそれを消化できるようにはできていません。
無理に与えると消化不良を起こし、体調を崩す原因になります。
また「庭で捕まえた虫をあげてみよう」と考える人もいますが、これもおすすめできません。
農薬や寄生虫を持っている可能性があり、かえって危険だからです。
とくにニホンヤモリのように体の小さい種は、ほんのわずかな毒素でも命に関わることがあります。
安心して与えられるのは、ペット用に管理された餌用昆虫や人工フードだけと覚えておきましょう。
ヤモリに必要な栄養素と役割
ヤモリの成長と健康に欠かせないのが、タンパク質、カルシウム、ビタミンD3、そして適度な水分です。
タンパク質は筋肉や臓器の維持に、カルシウムは骨格や卵殻形成に役立ちます。
ビタミンD3はカルシウム吸収を助け、健康な骨を保つために欠かせません。
水分は直接飲むこともありますが、主に餌や霧吹きされた環境から取り入れます。
ヤモリにおすすめの餌の種類

「結局どんな餌を用意すればいいの?」という疑問は、初心者にとって大きな壁です。
ここではコオロギをはじめとした代表的な生き餌と、その代替手段を詳しく紹介します。
- コオロギ
- ミルワーム
- デュビア
- 人工飼料・ペーストフード
それぞれ扱いやすさや特徴を踏まえながら詳しく紹介していきます。
コオロギ(イエコオロギ・フタホシコオロギ)
コオロギはヤモリの餌として定番中の定番です。
代表的なものとしてイエコオロギとフタホシコオロギの2種類が挙げられます。
それぞれの特徴をまとめると以下のとおりです。
| イエコオロギ | フタホシコオロギ |
|---|---|
| ・においが少なく繁殖させやすい ・寿命が長めで管理しやすい ・栄養バランスが比較的良い | ・動きがゆるやかで捕食されやすい ・栄養価がやや高いとされる ・寿命が短くにおいが強め |
また、与える際に最も注意すべきはサイズです。
ヤモリは自分の頭幅より大きな餌を飲み込めません。
ベビー期ならピンヘッドサイズ、ジュブナイルなら2〜3齢程度、アダルトなら成虫でも大丈夫ですが、体格に合わせて慎重にサイズ選びをしましょう。
さらに上級者であれば、コオロギを自宅で繁殖させて安定供給している方もいます。
繁殖用ケースを用意すれば、購入コストを抑えながら長期的に餌を確保できますが、温度や湿度管理、鳴き声やにおい対策などの課題もあります。
おすすめの餌用コオロギ
当店では、こだわりの飼料で栄養豊富に育てた良質なヨーロッパイエコオロギを販売しています。
屋内の清潔な環境で徹底した品質管理を行っているため、安心安全な商品です。
小さなピンヘッドからLサイズまで、幅広いサイズが揃っているのもおすすめポイント。
ヤモリの成長段階に合わせて選ぶことができ、飼育初心者から上級者まで幅広くご利用いただいています。
通販で対応しているため、必要なときにすぐ補充できるのも大きなメリットです。
ミルワーム
ミルワームは「食いつきの良さ」が魅力の餌です。
多くのヤモリが夢中で食べますが、脂肪分が多いため常用には不向きです。
与える際は以下の点に注意しましょう。
- 外皮(キチン質)が硬く消化不良を起こすリスクがある
- 頭部を潰して与えると安全性が高まる
- 栄養が偏りやすいので補助的に使う
管理面では非常に優秀で、冷蔵庫に入れておけば成長を止められ、数週間単位でストック可能です。
忙しい飼育者にとっては扱いやすい選択肢といえます。
デュビア
デュビアは栄養価が高く、飼育も容易で繁殖させやすいことから人気が高まっています。
- 高タンパク・低脂肪で健康的
- においが少なく、逃げても飛ばないので管理が楽
- プラケースに卵パックやコルクを入れて飼育すれば繁殖可能
ただしデュビアは体がやや大きめなので、ニホンヤモリのような小型種には不向きな場合があります。
逆にレオパードゲッコーやトッケイなど中型以上のヤモリには最適です。
繁殖には25〜30℃前後の温度が必要で、冬場はヒーターが欠かせません。
人工飼料・ペーストフード
最近は人工フードの種類も増え、選択肢の幅が広がっています。
コオロギ100%を固めたペーストタイプや、水で溶いて与える粉末タイプなどがあります。
人工フードのメリットをまとめてみましょう。
- 虫を飼育する必要がなく管理が楽
- 栄養バランスが計算されている
- 常温保存が可能な商品もありストックしやすい
一方でデメリットもあります。
すべてのヤモリが好んで食べるわけではなく、嗜好性に差があるため「食べる個体・食べない個体」に分かれます。
最初は生き餌に混ぜたり、匂いづけをして徐々に慣らしていくとスムーズに導入できます。
特に、当店のコオロギペースト・ミンチ「むしーの ひゃくぱ」は、人工フードのそうした弱点に焦点を当てて開発しているため、非常に嗜好性が高いことで好評です。
ぜひ試してみてください。
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【成長段階別】ヤモリの餌の与え方と注意点

ヤモリは成長段階によって必要な餌の量や種類が大きく変わります。
同じ与え方を続けると、肥満や栄養不足につながることもあるため注意が必要です。
ここではベビー期からアダルト期まで、それぞれに適した与え方を詳しく解説します。
ベビー期|餌の大きさと与える頻度
ベビー期は成長が著しく、毎日の給餌が欠かせません。
- 頭幅より小さい虫を与えるのが鉄則
- 1日1〜2回、夜に少量をこまめに与える
- ピンヘッドコオロギや小さなハニーワームが適している
失敗例としてよくあるのが「大きすぎる餌を与えて喉につまらせる」ケースです。
特に初めて飼育する人は「食べられるだろう」と大きなコオロギを入れてしまいがちですが、これが命に関わることもあります。
必ずベビー向けサイズの小さなコオロギや、小さいミルワームを選びましょう。
当店では、孵化直後のヤモリにも与えられるピンヘッドサイズのイエコオロギも用意しています。
ぜひご利用ください。
ジュブナイル期|必要な栄養バランスと給餌サイクル
体が安定し始めるジュブナイル期は、2日に1回を目安に夜に給餌します。
- 骨格形成にカルシウムが必須
- コオロギにカルシウムパウダーを軽くまぶす習慣をつける
- 栄養バランスを意識し、同じ餌ばかりに偏らないよう注意
この時期は「食欲が急に落ちる」ことも珍しくありません。
そんなときは餌をピンセットで動かして捕食本能を刺激したり、照明を少し落として自然な環境を再現すると食べてくれることがあります。
また、カルシウムを効率的に与える方法としては「ダスティング」が一般的です。
昆虫にパウダーをまぶすだけで簡単に補給できるため、ベビー期にもぜひ取り入れたい方法です。
さらに「ガットローディング」と呼ばれる方法もあり、餌用昆虫自体に栄養価の高い餌を与えてからヤモリに食べさせるのも効果的です。
カルシウムやビタミンの補給は「どのくらいの頻度で行うか」も重要なポイントです。
一般的には毎回の給餌で軽くまぶすのが理想ですが、週に2〜3回でも最低限の効果があります。
逆にパウダーを厚くまぶしすぎると嗜好性が落ち、餌を拒否してしまうこともあります。
失敗を避けるためには「ほんのり白くなる程度」を意識しましょう。
アダルト期|適量の目安と与えるタイミング
アダルト期になると、成長が落ち着き消費エネルギーも安定してくるため、2〜3日に1回の給餌で十分です。
- 尾の太さや体型を観察し、肥満を防ぐ
- 夜行性に合わせ、夕方から夜に与える
- 食べ残しは必ず取り除く
肥満のサインとしては「尾が極端に太くなる」「お腹が丸く膨らむ」などがあります。
ヤモリは小食でも健康に過ごせるため、むしろ控えめに与える方が安心です。
また、ヤモリは夜行性なので、夕方から夜にかけて餌を与えるのがベストです。
自然な生活リズムに合わせることでストレスが減り、食欲も安定します。
ヤモリが餌を食べないときの対処法

ヤモリが突然餌を食べなくなるのは、飼育者にとって非常に不安な出来事です。
ですが、必ずしもすぐに命に関わるとは限りません。
まずは落ち着いて原因を切り分け、一つずつ改善していくことが大切です。
ここでは代表的な原因と、その対処法をより詳しく紹介します。
環境要因(温度・湿度・隠れ家不足)
ヤモリは温度や湿度に敏感な生き物です。まずは飼育環境の見直しをしましょう。
温度や湿度、隠れ家の有無が合っていないと、ヤモリは食欲よりも「身を守ること」を優先します。
数値とレイアウトを整えるだけで、食いつきが戻るケースは多いです。
温度
25〜28℃を下回ると代謝が落ち、消化不良から食欲不振につながります。
冬場は特に注意が必要で、パネルヒーターやシートヒーターを活用すると安定します。
湿度
50〜70%を保つのが理想。
湿度が低すぎると脱皮不全になり、ストレスで餌を食べなくなるケースもあります。
定期的な霧吹きや、湿度を維持できる床材(ヤシガラ・ミズゴケ)を利用すると効果的です。
隠れ家
安心できる場所がないと、ヤモリは常に緊張状態に置かれて餌を口にしません。
流木やシェルターを複数配置し、「逃げ場」を確保することがポイントです。
健康面(病気や脱皮不全の影響)
餌を食べない原因は、健康トラブルの場合もあります。
元気そうに見えても、口内炎や寄生虫、脱皮不全が食欲を奪っていることがあります。
便や口の中、指先の皮の残りなど“サイン”を確認しましょう。
寄生虫
野外採取の虫や不衛生な環境から感染することがあります。
便の状態がいつもと違う場合は要注意です。
口内炎・口腔内の異常
口の中が赤く腫れていたり、白いカビ状のものが見られる場合は炎症の可能性があります。
脱皮不全
指先や尾に皮が残ると違和感から食欲が落ちます。
湿度管理を見直し、重度なら獣医師の介助が必要です。
健康面が疑われるときは、自己判断せずに爬虫類対応の病院で診察を受けた方が安心です。
ストレス・慣れによる拒食
環境変化による一時的なストレスで食欲が落ちることもあります。
引っ越し直後やレイアウト変更など、環境の変化はヤモリに強いストレスを与えます。
- 新しいケージに移した直後
- レイアウトを大きく変えたとき
- 他のペット(犬や猫)の存在に驚いたとき
こうした場合は無理に餌を与えず、落ち着くまで様子を見守りましょう。
静かな場所と複数の隠れ家を用意して、まずは安心感を取り戻させ、落ち着けば自然と食欲も戻ります。
ただ、こうした通常の拒食は数日で解消されますが、1週間以上続く場合は工夫が必要です。
まずは餌の種類を変えてみましょう。
普段はコオロギを食べない個体でも、ミルワームや人工フードなら食いつくことがあります。
また、大きすぎる餌は口にしないため、必ず頭幅より小さいサイズを選ぶことも大切です。
ピンセットで軽く動かして捕食本能を刺激すると食欲が戻ることもありますし、どうしても食べない場合は短期間の絶食で自然に回復するケースもあります。
焦らず段階的に工夫することが大切です。
飼い主が確認すべきチェックリスト
原因を1つに決めつけず「環境→健康→ストレス」の順にチェックするのがコツ。
温度・湿度・隠れ家、餌のサイズ、体調サインを短時間で確認しましょう。
チェックリストをまとめてみましょう。
- 温度は25〜28℃に保たれているか
- 湿度は50〜70%を維持できているか
- 隠れ家やシェルターは十分にあるか
- 餌のサイズはヤモリの頭幅より小さいか
- 病気や脱皮不全の兆候は見られないか
問題点が絞れれば対処はシンプルになります。
落ち着いて判断しましょう!
ヤモリの飼育管理と健康維持のポイント

ヤモリを健康に育てるには、餌だけでなく飼育環境全体のバランスを考えることが大切です。
温度・湿度管理と適切なケージ環境
ヤモリは変温動物であるため、周囲の温度や湿度に大きく左右されます。
日中は25〜28℃前後を目安に保ち、夜間はやや下げることで自然な生活リズムに近づけることができます。
湿度は50〜70%を維持するのが理想で、定期的に霧吹きをして脱皮を助けてあげましょう。
また、シェルターや流木など隠れ場所を複数用意しておくと、ストレスを減らし安心して過ごせます。
栄養不足で起こりやすい病気
ヤモリは、カルシウムが不足すると骨が柔らかく変形してしまう「くる病」を発症することがあります。
重症になると自力で動くことさえ困難になるため、早期の予防が欠かせません。
さらに、乾燥した環境では「脱皮不全」が起きやすく、皮膚が残ってしまうことで指先や尾が傷んでしまうこともあります。
こうしたトラブルは日々の環境調整で大部分を防ぐことができます。
定期的な観察と早期異常発見のコツ
ヤモリの健康管理で最も大切なのは、毎日欠かさず観察することです。
食欲の有無や排泄物の色と形、皮膚の状態などを確認し、普段との違いがあればすぐに記録しておきましょう。
観察ノートをつけておくと変化が明確になり、小さな異常にも早く気づけます。
わずかな変化を察知できるのは飼い主だけであり、その気づきが命を守る第一歩となります。
ヤモリの餌に関するよくある質問
ヤモリの餌に関するよくある質問とその回答を紹介します。
悩んでいることや疑問に思っていることがある方は参考にしてください。
Q1. ヤモリの餌はどこで購入するのが良いですか?
ペットショップや爬虫類専門店、通販サイトで購入できます。
特に通販はサイズを選びやすく、冷凍餌や人工フードもそろっているので便利です。
Q2. ヤモリの餌代はどれくらいかかりますか?
1匹あたりで計算すると月¥1,000〜2,000程度です。
人工フードを併用すればコストを下げられることもあります。
Q3. 食べ残した餌や餌用コオロギはどうしたらいいですか?
食べ残しをケージに放置すると、コオロギが逆にヤモリを噛んで怪我をさせたり、不衛生になってダニやカビの温床になったりする危険があります。
必ず取り除いて清潔を保ちましょう。
また、餌用コオロギはヤモリと同居させず、別容器で管理するのが基本です。
通気性を確保したケースに入れ、ニンジンや野菜を与えることで栄養価を高められます。
健康的に管理されたコオロギを与えることで、ヤモリの栄養状態も安定します。
給餌を工夫してヤモリの健康管理をしよう!

ヤモリの餌について、おすすめの餌や与え方などを解説してきました。
本記事のポイントをまとめると以下のとおりです。
- ヤモリは昆虫食であり家庭の食材では代用不可
- コオロギやミルワーム、人工フードを状況に合わせて使い分ける
- 成長段階に合わせて餌のサイズと頻度を調整する
- 拒食の原因は環境・健康・ストレスに分けて確認する
- 温度・湿度管理と観察習慣が健康維持につながる
ヤモリにとって餌の種類や与えるタイミングは、健康を守るうえでとても重要です。
コオロギやミルワームといった生き餌に加え、人工フードを上手に活用することで、栄養バランスを整えることができます。
さらに、成長段階に合わせてサイズや頻度を調整すれば、丈夫で元気なヤモリに育ってくれるでしょう。
この記事を参考に、あなたの飼育環境に合った最適な餌の与え方を見つけ、ヤモリとの生活を安心して楽しんでください!
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