FUTURENAUTの食用コオロギに対する考え方

 

最近、弊社に食用コオロギの安全性に関するお問合せが増えております。

弊社の見解をこちらに記載いたします。なお、科学的根拠のない風評の流布に対しては、顧問弁護士と相談の上厳正に対処いたします。

 


Q.アレルギーの危険性についてどう対応していますか。

A.日本の食品表示法では、特定原材料を含む加工食品、特定原材料由来の添加物を含む生鮮食品の一部及び特定原材料に由来する添加物について食物アレルギー表示が求められています。重篤度・症例数の多い7品目(特定原材料)については表示の義務があり、過去に一定の頻度で健康被害が見られた21品目(特定原材料に順ずるもの)については表示が推奨されています。なお、消費者庁ではアレルギー表示対象品目の調査、研究を継続的に進められており、その成果を踏まえて特定原材料等については見直しが図られる予定です。

現時点において、食用コオロギは本法令に定める「特定原材料」、「特定原材料に順ずるもの」のいずれにも該当しておりません。しかしながら、甲殻類、ダニ、軟体動物などにアレルギー症状を示す被験者に対して交差反応性を持つ可能性があるとの研究報告(https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2021.6779)があることから、弊社では管轄の保健所の助言を受け、一括表示外に「エビやカニに似た成分を含みます」等の注意喚起を自主的に行っています。

食物アレルギーに懸念のある方は、ご利用をお控えください。


Q.寄生虫についてどう対応していますか。

 

A.寄生虫の存在は、魚介類、食肉、野菜など、自然の中から調達するすべての食材に等しく関わる問題で、食用コオロギのみに当てはまるものではありません。一般論として、どんな食品であっても生食する場合には常に注意を払わなければならない問題です。弊社でご提供する食用コオロギは、管理された養殖場内で飼育し、その後十分な加熱殺菌、乾燥処理をした加工食品です。よって、寄生虫への懸念については、他の一般的な加工食品と同様と考えております。


Q.コオロギには発ガン性があるという研究を見ました。

 

A.弊社ではそのような学術研究があることを把握しておりません。ご覧になった査読付き研究論文をご提示ください。


Q. 世界や日本でコオロギを食べていなかったのは、安全性の観点で問題があったからではないですか。

 

A.コオロギはこれまで世界中の多くの国や地域で食べられてきた昆虫です。日本においても例外ではなく、新潟県、福島県、長野県、山形県などで食べられてきた記録がいくつかの研究論文で報告されており、その概要は「昆虫食文化事典, 三橋淳著」にまとめられています。また、中国や日本では薬用にも利用されてきた歴史があります。

 日本において、イナゴと比較してコオロギが一般的な食用昆虫とならなかった理由は、大量に捕獲することがイナゴに比べて困難だったことが理由の1つだと考えています。一方、タイやカンボジアなどではイナゴと同様にコオロギは一般的な食用昆虫として食べられてきた歴史があります。


Q. コオロギには酸化グラフェンが含まれているという研究を見ました。

 

A.弊社ではそのような学術研究があることを把握しておりません。ご覧になった査読付き研究論文をご提示ください。

タイ・ウボンラチャタニー大学のRuaysap et al., 2022の研究では、椰子ガラおよびコオロギの脚から工業原料となるグラフェンをChemical Vapor Deposition(CVD:化学気層成長)法で化学合成できる可能性について報告されております。詳細は原著論文をお読みいただくことが適切ですが、簡単に研究者らが検討した化学合成の概要を説明します。乾燥させた椰子ガラおよびコオロギの脚を銅製の薄膜上に置き、1050℃の炉内でアルゴン雰囲気下において15分間焼成処理しています。この操作がCVD法という化学合成の方法です。銅の薄膜上に生じた黒色の物質をエタノールで洗い、溶媒を取り除いた後黒色の粉末物質を乾燥させて紫外・可視分光法で特性分析しています。その結果、グラフェン標準物質と同様に約244nmの波長領域に吸収帯が観察されたことから、椰子ガラおよびコオロギの脚を原料に、グラフェンを化学合成できる可能性があると結論付けています。

この研究は、コオロギの脚にグラフェンあるいは酸化グラフェンが含まれると報告するものではありません。食品産業の環境負荷となる食品廃棄物やフードロスから、有用な工業原料を化学合成できるかもしれない可能性に言及した研究成果です。


Q.EUがコオロギを食品に認めた際にどのような安全性評価がされましたか?

 

A.こちらをご覧ください。

https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2021.6779


Q.コオロギの菌数や残留農薬が心配です。

 

A.弊社では、食品衛生法に基づく菓子製造の許可を取得し、管理された設備を使用しHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の方法に基づき食品を製造しております。また、加工食品について定期的に食品微生物と残留農薬の自主検査を行い、品質管理を徹底しています。


Q.加熱処理について、沸騰水で40分、オーブンで7時間という事だが、本工程で安心というエビデンスがあるのか。何℃で煮沸等をしているのか。オーブンの温度は何℃でしょうか。

A.沸騰水とは1気圧下で100℃の熱湯のことをいいます。オーブンの加熱温度は90度です。一般的な食中毒菌の殺菌条件は、中心温度が75℃・1分以上の加熱とされています。これは、内閣府の食品安全委員会、厚生労働省、保健所等から示されている加熱殺菌の条件です。上記の条件下で加熱殺菌しておりますので、十分な処理を施していることになります。


Q.妊婦の方が流産する可能性がある成分が入っていますか。

A.まずは、ご懸念の成分と流産の関係を示すエビデンスをご提示いただかないとお答えしようがありません。化学物質の種類はほぼ無限に存在し、それらを網羅的に分析する手段は存在していません。

一般的な食品として調べなければならない有害な化学物質については一通り検査しております。上記の回答に示した食品衛生細菌類の他、重金属類(Cd、Sn、Pb、Hg、As)、カビ毒、残留農薬(464項目)は検査しています。


Q.原材料表示にドライクリケットとあるが、この表記で問題ないのですか?

A.弊社では、一括表示(原材料表示を含む)の記載内容については管轄の保健所の助言を受けてへの相談の上、表記しております。

コオロギを使用した製品である旨を商品名、パッケージデザイン、一括表示、商品説明文、商品説明サイトへのリンク等を介して表現しております。